今日は教材や学習内容の話ではなく、私たちの住んでいるトロント市の学校教育について、少し書きたいと思います。

トロントでは、オルタナティブ教育は認可されており、モンテソッリ、ワードフの学校、カソリック系の学校、フランス語で授業を行う学校、アートに特化した学校などあり、もちろんホームスクールも認められています。ホームスクーラーは、教育委員会に毎年1度「ホームスクールにします」という旨のレターを提出しますが、それ以外の義務(カリキュラム等の提出や面談等)は必要ありません。小中とホームスクールをして、高校から私学に入ったお子さんをお持ちの方に聞きましたところ、高校入学の際は小中とホームスクールでしたと申請書に記入するだけでよく、学校からの証明書等の提出は必要ないと伺いました。(高校によるのかもしれませんが)

おそらく背景として、移民が非常に多く、様々な人種、宗教、文化が混在していて、教育もそれに呼応すべきだという考えではないかと、(私は勝手に)思っています。

トロントの公立学校では、教科書の配布はしてないそうです。主人が学校に通っていたころは、まだ教科書があったそうですが、10数年前から教科書というものがなくなったと伺っています。従って、先生方が個々にオンタリオ州のカリキュラムに沿った教材を作成され、使用しているとのことでした。学校によるのかもしれませんが、既に教室では黒板を使用しなくなっており、ホワイトボードの使用も徐々に減らしていくという話も聞きました。

日本で学校教育を受けた私にとっては驚くことが多いです。是非を問ういろいろな意見や議論がなされてはいますが、個々の多様性に対応することに加え、時代に合わせて教育手法や環境を変えていくというトロント教育委員会の前向きな姿勢が感じられ、私は好感を持っています。

ホームスクールを始めた当初は、教科書がないので、(頭が固めの私は)何を基準にして学習をしていいか分からず、「オンタリオ州カリキュラム準拠」みたいな問題集を与えたりしていました。当時は、教科書なしの勉強が、私には考えられなかったからです。でも、そのうちに、「教科書がないんだったら、J君個人に合う教材を探したり、作ったりできるんだ」と気づき、J君の学習スピードや好みに合う教材を探し、試すということを繰り返し、今でも続けています。よく考えたら、これはホームスクールの一つの基本の考え方というか、長所ですよね。

それでいろいろ教材を探し、使って、作ったりしている中で、少しでも他のホームスクーラーの方のヒントというか、手助けになれば、そしてゆくゆくはいろんな教材を紹介しあえればと思って、サイトで紹介を始めました。これからも試行錯誤しながら、J君とホームスクールを楽しんでいきたいと思っています。